「ニュースレター」って、いったいどんなもの、何のことでしょうか?


1.ニュースレターとは?
2.ビジネスの営業活動(販促:マーケティング)でのニュースレター
3.制作手順
4.ニュースレターの作り方の比較(自社、外注、ひな形)
5.ひな形を使って作る方法

ここでは主に企業が営業に使うニュースレターについてと、ひな形を使ったニュースレターの作り方について、順を追ってお話していきます。

1.ニュースレターとは?

新聞紙のような形状をした冊子やコピー紙程度のサイズの情報誌のことを言います。
企業やお店、NPO、自治体や政府機関、学校、学会や任意の団体、クラブ、あるいは個人などが、その団体の構成員、従業員、顧客、会員、地域の住民、一般の人達などへ向けて、定期的に発行します。

「ニュースレター」を日本語訳すると「時事通信」となります。より一般的な日本語でいうと、「会報」「会員情報誌」の方ががイメージしやすいかもしれません。
チラシやフリーペーパー(無料で不特定多数に配られる)と、雑誌(有料で購入する)あるいは手紙(特定の人に届けられる)の間のような存在で、主に特定の決まった対象者(登録した会員など)に個別に届けられます。

一般的に、配布される対象者が関心のあることについてのなんらかの情報、主にその時々の新しい情報(ニュース、お知らせ)について書かれています。
発行する団体の情報や提供するサービスの内容、関連分野の情報、会員の情報、対象者が興味を持ちそうな趣味的な内容などが含まれます。

◆身近なニュースレターいろいろ

ニュースレターいろいろ

さまざまなニュースレター

そうと意識してはなくても、ニュースレターは身近なところに溢れています。

自治体の広報誌、芸能人のファンクラブ報、なにかのサービスを申し込んだら定期的に送られてくる冊子や、商品を購入した時に手渡されるチラシを閉じたような物、病院や金融機関の窓口に置いてある小さな新聞、社内報、PTAの会報にいたるまで、さまざまなニュースレターがあります。
子供の頃、自分たちで作った「学級通信」も実はニュースレターです。お父さんとお母さんに学校での出来事を書いてみましょうと先生に言われて色画用紙に張って作ったのも家族にあてたニュースレターといえるかもしれません。

通常、宣伝や広報に関るものは無料であることがほとんどです。発行する団体の提供するサービスの一部として無料(あるいは経費に含まれている)で配布されます。
他では手に入りづらい特別な情報などを掲載して、有料で購読するものもあります。この場合は、ニュースレター自体を商品として売っています。

サイズはB5~A4、B4またはA3二つ折りからタブロイド版程度のものまで。紙1枚だけの簡単なもの、何枚かを織り込んだりホッチキスで閉じたりしたもの、数十ページほどの小冊子などさまざまなボリュームのものがあります。
最近ではインターネット、ITの進展にともなって、電子メールで配布されたりウェブサイト上で公開されるものも出てきました。

2.ビジネスの営業活動(販促:マーケティング)でのニュースレター

ニュースレターは、提供するサービスの最新の情報を伝えることが出来る点や、情報を伝えることによって対象者の帰属意識を高めることが出来るなどの効果のため、商売・ビジネスでの活用が進んでいます。

企業がニュースレターを発行する場合、主な目的は、営業活動、販売促進であることが多いです。配布の対象者は企業の顧客です。
ほかには取引先、代理店などに向けてのニュースレターもあります。従業員への社内報もニュースレターの一種です。小さな会社の場合は、これらを兼ねていることもあります。

いずれの場合も、そのビジネスやサービス・会社へ、親しんでもらう、親近感を持ってもらうことが大きな狙いです。

◆なぜニュースレターを配るのか?

あなたの商売・ビジネスでは、何らかのサービスあるいは商品によって、顧客に価値を提供します。
その際あなたの会社の従業員や商品と、顧客が直接・間接的に接触することになり、あなたの会社やサービスのことを、その都度、認識します。

この回数が増えれば増えるほど、顧客はあなたのサービスが身近になり、親近感を覚え、購買が継続しやすくなります。
逆にいうと、ちゃんと顧客に認識してもらえてないと、忘れられてしまいます。

ということは、どんどんサービスや商品を買って使ってもらえばもらうほど、さらに売上があがる、リピートしやすくなるということになる筈ですが、なかなかそうはあなたのお店だけに来店したり注文を出してはくれません。ライバルとなる会社は世の中にあふれています。

しかし、こうしたサービスが提供される瞬間での接触の以外に、あなたの会社やサービスのことを思い出してもらうことが出来るとしたらどうでしょうか?

それが、ニュースレターを定期的に配るという方法です。

サービスを提供した瞬間のすぐ後にニュースレターを読んでもらうことで、あなたの会社やサービスのことを覚えていてもらう。あるいは購入からしばらくして、顧客があなたの商品・サービスを忘れかけた頃にニュースレターが届くと、あなたの会社や商品のことを思い出してもらうことが出来ます。
見込み客にニュースレターを渡して、最初の購入に繋げるということも可能です。

◆ニュースレターで大切な4つの事

ここで重要なのは、1.情報の内容、2.読みやすさ、3.届け方、4.提供の頻度、です。

1.情報の内容
まず読者が読みたくなるような内容である必要があります。
対象となる顧客が知りたい情報、興味をもってくれそうな情報・記事を掲載します。

  • あなたの商品やサービスについてのより詳しい情報
  • その分野に関連したより一般的な知識・ノウハウなど
  • 顧客が関心をもちそうなその他の雑学など
  • 顧客が興味のある趣味的な内容
  • 地域の話題やニュースなど
  • あなたの会社の取り組みや従業員に関する情報

2.読みやすさ
誌面の大きさ、判型、手にとって持ちやすいかどうかなどの外形から、中身のデザイン、見やすい写真やイラスト、読みやすい字の大きさやレイアウト、改行の仕方などがこれにあたります。

  • 誌面のサイズ、折り方、印刷する紙の種類
  • カラー、2色刷り、モノクロ
  • デザイン・レイアウト、縦書か横書きか
  • 見出しや本文の字の大きさ、文字の間隔など
  • 写真やイラストの質、どんな雰囲気を伝えたいか
  • 文章の文体など

3.届け方
郵送やメール便、手渡し、店頭などに置いて自由に持っていってもらう、商品を送る際に同封する、などの方法があります。

4.提供の頻度
ニュースレターはどのくらいのペースで出せばいいのでしょうか?

毎日買い物に訪れるようなお店では店先に置いて、発行ペースも毎日ということもありえますが、ビジネスの販売促進で使われる場合、一般的には月に一回から季節に合わせて3ヶ月に一回くらいの頻度が適度な発行ペースのようです。

人の関心や記憶が続くのは21日間という研究結果があり、だいたいそれをフォローしようとすると一ヶ月ごとに出したいところです。顧客は毎月決まった頃に届くとわかってくれるようになれば、ニュースレターを楽しみにしてくれます。作る側としても、毎月この日にこの作業をすると決めておけば、継続しやすくなります。

あとは作成・発行にかかる費用や制作に携わる人員の配置などを合わせて検討するといいでしょう。

3.制作手順

そもそもどんな目的のためにニュースレターを作るのでしょうか?
これを最初に明確にしておく必要があります。
そして予算、誰が作るか、どんなニュースレターにするのかを決め、実際の作業に入っていきます。

1.目的・計画~準備段階
2.誌面の大枠を決める
3.原稿をつくる
4.校正~配布まで

しっかり準備をして、計画的にすすめていくと、スムーズに進みます。
■以下、検討項目と作業の内容です。

1.目的・計画~準備段階

    • 目的はなにか?

それにあわせて、配布の対象者を決めます。主に既存客のフォローに使うか見込み客の誘導か、どんなタイミングで配るかなど、だいたいのイメージを持って事にあたります。

    • 予算を決める

必要な内容に対してどのくらい費用がかかるのか。あるいはかけられるのか。
・制作費(パソコンソフト代金やイラストの利用料など)
・印刷費(外注、または自社で印刷する場合はプリンター、用紙やインク代)
・発送費(郵送またはメール便など)
・人件費(ニュースレターの制作から発送までの業務のためにこれまでより増加する人件費)

    • ※外注の場合は業者の選定を行います。
    • スケジュール

発行予定日を決め、それから逆算して制作スケジュールを組みます。

    • 担当者を決める

候補としては、ワープロソフトを使える人、国語力のある人、写真を撮ったり、ちょっとしたイラストが描ける人がいれば重宝します。

    • 発送リスト

ニュースレターを配布するリストを整えます。
パソコンでデータ化しておくと宛名ラベルに出力するのに便利です。

2.誌面の大枠を決める

誌面の構成、どんな記事を載せていくのか内容を決めていきます。

    • 紙面サイズ・ページ数・色数・印刷用紙

自分たち社内で制作する場合、A4サイズまたはA3サイズを折ってA4にするものが多いです。ページ数は4ページが一般的。2ページ、5ページ、6ページ、8ページ以上もあります。
用紙は普通のコピー紙で十分です。変化をつけ、より目立たせたい場合はカラー用紙を使用します。その場合の色は暖色系(クリーム、オレンジ、ピンクなど)が好まれるようです。
印刷はモノクロが一般的ですが、豪華にしたい場合は白い紙にフルカラーで印刷します。

    • ニュースレターの誌名タイトル

単に「株式会社○○○○のニュースレター」でもいいですが、できればターゲッ
ト層が親しみを感じそうなもの。会社や商品・サービス、発行者の名前から連
想されるものなど。
タイトルのデザイン:これも親しみやすいものがいいでしょう。

    • 記事の内容

・会社の話題、近所の話題、地域の話題、世間の話題、ターゲット層が普段話題にしていること、ターゲット層が知って得する一般的な知識やノウハウ,情報など
・商品やサービスに関連する話題、関連するノウハウ、知っておくと得する知識など
・社長のあいさつ、営業マンのあいさつ、スタッフの近況報告など
・「お客様の声」商品・サービスなどについての意見・感想などを顧客から収集しします。
・具体的な商品サービスについての情報(いわゆるセールスレター。これは紙の色やサイズを変えるなどでニュースレターとは独立したものとして一緒に配布する方が効果が高いようです)
・読者の興味を引きつけるマンガやクイズなどのお楽しみ記事もできれば入れ得たいところです。

    • 紙面デザイン・レイアウト

なによりも読みやすく。記事の分量は適当か。写真や図・イラストなどを使うかどうか。
タイトルのロゴは画像処理ソフト、デザインソフトなどで画像を組み込んだり、文字を変形加工させたり、あるいはアナログに筆文字という方法もあります。
原稿のレイアウトはプロ用の編集ソフトを使いこなせる人がいればいいですが、普通はワード(Word)などのワープロソフトで十分です。

3.原稿をつくる

    • 企画

具体的な記事の内容を決めます。ターゲットや目的に沿って、読者にとって楽しい、役に立つ、会社が信頼されるような記事を企画しましょう。

    • 原稿の依頼

ニュースレター作りの担当者から、社長やスタッフへ、挨拶や近況コメントなどの原稿を依頼します。
商品やそれに関連する情報については、社内外のそれに詳しい人に依頼。その他の身近な話題などはニュースレター作りの担当者が執筆、または適当な人がいれば依頼します。
・記事の執筆 ワープロを使用。手書きの原稿が渡された場合は担当者がパソコンに入力します。わざと手書きで雰囲気を出す手法もあります。
・写真などの用意 記事に必要な写真、図、イラストなどを用意します。市販のイラスト素材集などがあるととても助かります。
・原稿の催促 プロに原稿を発注した場合はほとんど問題ありませんが、社内の人に原稿を依頼した場合はこれが一番大変な仕事になるかもしれません。頑張ってください。締め切りが近づいてきたらそれとなく原稿の進み具合を探りつつハッパをかけましょう。

    • 入力作業

ワープロに原稿、写真などを入力、貼り付けていきます。
場合によっては原稿がすべてそろっていないこともありますが、期日が近づいてきたらともかく出来るところから進めていくのも大切です。まだ原稿を提出してくれない人には、ここまで出来ているというところを見せてプレッシャーをかけるのもいいでしょう。

4.校正~発送までの作業

  • 校正

誤字・脱字などのチェックです。出来上がったら一度プリントして担当者だけでなく、複数の人で誤字・脱字、写真の入れ替わり、不適切な表現がないかなどをチェックします。

  • 印刷

修正箇所を吸収して問題がなくなれば必要部数を印刷します。

  • 発送

封筒の宛名を宛名ラベルなどにプリントします。余力があれば手書きで宛名を書くのも好感度アップにいいかもしれません。宛名が出来たら、封筒にニュースレターを入れて封印していきます。
ここまで出来たらいよいよ発送です。郵便またはメール便などで発送します。

  • 次号の準備

そして、次の号はどんな内容にするか、企画を立てて原稿の依頼などの準備にかかります。(あらかじめ次号に掲載する記事に関係する募集を誌面で行っておくという方法もあります)。

●まとめ

いざ「書く」「作る」というのは、結構いろんな段階を踏んでいく必要があります。手間もかかりますし、担当される方にとっては新たな慣れない業務が増えるわけですから大変です。
一回作ることは出来ても、それを継続していくことは、さらになかなか難しいことです。事前に準備をしっかりして計画的に取り組んでいくこと、常に工夫をしていくことで、読んでくれる人、顧客に喜ばれるニュースレターになります。
作るのはいろいろと大変なことがあっても、続けていくことで、顧客からの反応をもらったり、営業成績の向上などが励みになり、やめたくてもやめられなくなります。それまで、最初の目的を見据えて、楽しく取り組んでいきましょう。

4.ニュースレターの作り方の比較(自社、外注、ひな形)

ニュースレターを一から作るのは、費用、手間共に、結構大きな投資です。
「3.ニュースレターの作り方(一般的な制作手順)」参照

誰がどの程度のクオリティ、ボリュームの物を作るのかによって、作り方を検討する必要があります。
おおまかに、以下のような方法があります。
それぞれ一長一短ありますので、それぞれのポイントについて説明します。

1.自社内で制作
2.業者へ外注
3.ひな形(テンプレート)を利用

 

ニュースレター制作方法の比較
方法 費用コスト 社内の労力 内容・配布の自由度 クオリティ
●自社内で制作 安~高 多い
●業者に外注 高い 少ない
●ひな形を利用 少ない △~☓

1.社内で(社長または従業員が)制作
社内で作ろうとすると、内容によってはそれ専任に近いようなスタッフが必要なこともあります。簡単な物であっても、従業員が制作するにはその分、賃金の形で払うことになります。
これを読んでいるあなたが経営者で、自分でやれば費用はゼロだと考えるかもしれませんが、いわゆる「社長の人件費」がかかってきます。いずれにしろコストはゼロではありません。
ニュースレターの内容は、自由でオリジナリティのあるものが作れます。クオリティに関しては担当者の能力にかかってきます。ニュースレター担当が、兼任であったり、通常業務の合間にニュースレターを作るということであると、納期がいい加減になったりしがちです。

2.業者に外注に出す
印刷会社や制作会社へ注文して作ってもらえば、社内の手間としては、外注業者との打ち合わせや、一部の記事(社長のあいさつ文など)の用意が必要な他は、ほとんど手間がかかかりません。
内容は注文次第で自由になり、オリジナリティも確保できます。また、お金を払って依頼、注文しているので確実に納品されます。もちろんクオリティもプロの仕事です。
一方、外注の費用を支払う必要があります。

3.ひな形(テンプレート)購入
あらかじめ記事やイラストが入ってデザインされたニュースレターのひな形(フォーマット)を使う方法です。こちらも一部の記事(社長のあいさつ文など)の用意と入力作業が必要な他は、ほとんど手間がかかかりません。
ひな形はニュースレターひな形の制作業者が作り、複数のユーザー企業で同じものが使用されます。多くの場合、記事の内容に個別の注文をしたりすることはできません。提供されるひな形によっては、差し替え用の記事やタイトルが用意されていることもあります。また、同じニュースレターが被らないように、ユーザー企業が配布する地域が限定されています。
紙面は、ユーザー企業での編集やプリンタで印刷することも想定して簡易なデザインです。

それぞれメリット・デメリットがありますので、自分たちが、どんな使い方を想定するか、よく検討してください。
最初は、自分たちにとって簡単、低コストな方法で初めて、顧客の反応や反響を見て、変更していくのもいいでしょう。

5.ひな形を使って作る方法

ひな形の編集画面

ひな形の編集画面

ここでは、ひな形を使ってニュースレターを作成する方法について、説明します。

1.まず、ニュースレターのひな形を販売している業者からひな形のデータを購入します。

データは電子メールに添付されて配布されたり、ダウンロード先のサーバーを指定されるもの、CD-ROMなどを郵送で送られてくる場合もあります。
ひな形の編集に使用するソフトウェアはマイクロソフトのワード(Microsoft Word)エクセル(Microsoft Excel)が多いです。

2.データを入手したら、パソコンのソフトでひな形のデータを開き、あなたの会社の住所などの個別の情報などを入力します。
3.ひな形の内容によっては、社長のあいさつや従業員のコメント、また必要に応じてオリジナルの記事を入れるなどします。

これで出来上がりです。
ひな形を利用することによって、非常に手軽に素早くニュースレターを作って配布することが出来るようになりました。
次ページでは、営栄王のニュースレターひな形のサービスでの手順について説明します。